ここ数年、インドビジネスが新聞や経済誌で報道され、日系企業にとって
まさに次の希望の地のような扱いである。しかし実態はどうなのか?
今回6年ぶりにインドを訪問したが、インフラ面についてあまり大きな変化はないな・・・
というのが、率直な感想である。
グルガオンのような大都市でも、車を5分走らせて奥の路地に入ると
道が陥没していたり、崩れたレンガ積みの住宅や、ゴミだらけの道路があちこちに
点在している。
通常の道路で気になるのは、車やリキシャなどが それぞれ思い思いの
走り方をしており、突然車線変更をしたり、急に横から幅寄せ、さらには
目の前でUターンをしてきたりと、中国以上にデンジャラスな印象を受けた。
日本人にとって生活はやはり過酷なようで、一応日本料理屋はあるが、
店舗数は限られており、近所の日系企業の駐在員の御用達だが、毎回
同じメンバーに会いそうだ。
さすがにしょっちゅう来ると、飽きが来そうなものだが、日本人にとって毎日カレーを
食べるよりはマシなようである。
インドの駐在員は当然、その過酷な環境から 手当は他国に比べ多く出る。
しかしながら、ほとんどの赴任者は家族を帯同せず、単身で数年にわたる
生活を余儀なくされる。中国であれば、3-4時間で日本に戻れるが、インドと
なるとそうしょっちゅう戻るわけにもいかない。
そのような事情もあり、私の周囲でも海外赴任を希望する者は多いものの、
インドは明確に避ける者がほとんどである。
しかしながら、電機業界で今のご時世、海外でキャリアを積もうと思ったら
新興国でタフな経験を積むことが最も価値が出るのではないか。
まだ市場は飽和状態ではなく、販社もベンチャー企業のような過程にあること。
そこで、日本人としてバリューを生み出せる仕事ができるかどうか、である。
快適な環境で仕事をしている自身のことを考えると、改めて
インド駐在員の奮闘ぶりに敬意を示したい。