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Channel: Road to 2014 -上海駐在日報第二章-
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ゼロ ダーク サーティとパキスタン

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機会があり、映画「ゼロ ダーク サーティ」を見た。
前回のアルゴもそうであるが、個人的にこの手の、 ノンフィクション国際政治
ジャンルが好きなので、公開されている際は 積極的に見に行くようにしている。

映画の大筋は、パキスタンに赴任したCIAエージェント(女性) が、10年近く
ビンラディンを追い続け、最終的に見つけ出し、 特殊部隊が急襲し終えるところ
まで。

女性監督のキャスリン・ビグローは、前作「ハート ロッカー」で
イラク戦争後のバグダッドでの地雷処理班をテーマにしたものであ り、平和な
世の中を過ごしている私たちが、決して知ることがない、 紛争地帯の生々しい
現実を描いている。

以前に見た「アルゴ」ほど、ドラマティックな起承転結はなく、 映画後半は
あたかもドキュメンタリー映画テイストで、わざとらしい、 誇張した演出がほと
んどない。そういう意味で、 エンターティメント性は抑え気味である。

パキスタンの市内の町並みは、 かつて行ったことがあるインドに似ていて、
大通りはとにかく車や人間の往来が激しく、異常なまでの人口密度で、
人相が悪い男が多く、さながらカオス的な雰囲気がある。
この映画をパキスタン人が見ると、 気を悪くするシーンが少なくないので、
イスラム圏での上映は限られてくるかもしれない。

007のような一人で完璧にかたづけてしまうスーパーエージェン トも、たまに
見る分には悪くないが、私はやはりこの手の、 組織の中での個の奮闘、
といったものの方がシックリ来る。

この監督の次回作にも期待したい。


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