Quantcast
Channel: Road to 2014 -上海駐在日報第二章-
Viewing all articles
Browse latest Browse all 35

北京再び2

$
0
0
今回北京訪問では、 自動車がますます増えて渋滞が激しくなる一方、タクシーの
供給数少ないためつかまらず、移動が難儀なことが度々起きた。

従い、移動は地下鉄がメインとなるが、 この地下鉄の人の多さが半端ではなく、
あまりの圧迫感に恐怖を覚えるくらいだった。

中国で地下鉄に乗る際の鉄則は、降りる際、 出来る限りドア近くまで寄っておくこと。
前の人間との空間はできるだけなくし、 ほぼぴったり密着するようなイメージだ。
でないと、乗り込んでくる人間たちのパワーに押され、 降りすごしてしまう。

日本のように完全に停車してから席を立つ、 というのんびりしたテンポではまず
降りられないし、乗車客から非常に鬱陶しがられる。

またこれは意外であるが、そこそこ車両の入り口側が満杯だと、 無理に乗車を
して来ず、次の電車を待つ人が多い。私は日本的感覚で、 前の人を思いっきり
押しながら乗車するが、露骨な舌打ちと、 文句を言われることが多い。
このさじ加減がなかなか難しいのだ。


地下鉄に乗っている人間を観察すると、 ほとんどがスマホでドラマを見るか、ゲー
ムをやっている姿が多い。機種もアイフォーンが中心であり、 いわゆる
「中国の一人当たり平均のGDPは日本の10分の1、 まだ日本と格差ある」とい
う報道とはかけ離れた姿がここにある。

一方で、 大きなズダ袋を抱えた農民工と思われる乗車も最近はとみに増えて おり、
狭い車両の中で、 現在の中国社会が抱えるリアルな富の格差が伺える。
北京では遭遇しなかったが、上海の地下鉄では親子連れの乞食が、 1車両ずつ
それぞれの乗客にお金をせびりに来る。

急激な成長で光ばかりが強調されるが、 それだけ影の部分も濃厚になっていると
いう事実。
日本バッシング報道は繰り返しするが、 こちらはあまり取り上げられない
重いテーマである。
 
 

Viewing all articles
Browse latest Browse all 35

Trending Articles