Quantcast
Channel: Road to 2014 -上海駐在日報第二章-
Viewing all articles
Browse latest Browse all 35

心に火をつけろ

$
0
0
機会があり、NHK番組でザ・プロフェッショナルを見た。
内容は中国で16年、 成都のイトーヨーカ堂の立上げを推進してきた三枝氏の
物語である。

中国に駐在していた頃から、 この方の名前はちょくちょく耳にしていた。
むろん、直接お会いしたことはないが、 どのように中国社会で日系のサービスを
根づかせ、組織をマネジメントしてきたのか、興味があった。

ヨーカ堂成都店の現地従業員は、 同業他社からよく高い給料で引き抜きの
オファを受けるという。だが、番組を見終わった感想として、 中国の同業他社が
優秀な社員を引っこ抜いたところで、 ヨーカ堂と同じサービスが展開できることは
決してないだろう。

なぜならば、同社のサービス精神というのは長年かけて"組織" として定着して
いるものであり、2-3人引き抜いたところで、 すぐにどうこう出来るものではない。

お客様に頭を下げる、売り場にPOPを作って賑わい感を出す。 課題出しをさせて、
売り場改善を常に行う。こういったことは、 普通の従業員は決して進んではやら
ないからだ。

ヨーカ堂の従業員に一体感が出てきたのは、 08年の四川大地震の頃で、震災直後
でも値上げをせずに即営業を開始したことから、地域密着、 顧客視点の姿勢が地
元で評価され、これを機に従業員も誇りを持つようになっている。 まさに災い転
じて福となす、といったところか。

今やグループ2万人で行う大運動会、優秀社員への表彰など 同社の従業員は会
社に対しかなりのロイヤルティを持っている。

従業員の心に火をつけること。やる気を出してもらう仕掛け作り。
小売業は販売する商品の品揃えも大事であるが、 なによりも発奮した社員が
どれだけいるかで販売力が違ってくる。

戦略の立案以前に、人の心を動かし、 能動的な組織へ変えていく難しさ。
三枝氏の凄さがよくわかる番組であった。
 
 

Viewing all articles
Browse latest Browse all 35

Trending Articles